裁判所の不動産競売物件・(物件調査・入札・明渡交渉・強制執行などの詳しいお話)・足と汗で掴んだ実践ノウハウです。


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2009年06月

三点セットのどこが大切??5



今日のポイント・・収益用物件の賃借人の立場と、買受人の敷金に対する対応の一つの考え方


物件明細書の「3 買受人が負担することとなる他人の権利」欄が「なし」という記載で、

次の「4 物件の占有状況に関する特記事項 」で、次のような文言が記載されている場合の、私がコンサルする現実的な対応についてお話させて頂きます。


普通の賃借人とします。


どれも、「○○が占有している。」

という文言の後に続く文言です。

「同人の占有(又は賃借権)は(仮)差押えに後れる。」

「同人の占有(又は賃借権)は滞納処分による差押えに後れる。」

「同人の賃借権は抵当権に後れる。但し、代金納付から6ケ月明渡が猶予される。」

「同人の賃借権は差押(仮差押え、滞納処分による差押)後に期間が経過している。」


このような文言がありますと、落札者が代金納付手続きを終了し、その物件の所有者となった時点で、賃借人の立場は天国と地獄位に変わってしまいます。

賃借人が旧所有者と交わした賃貸借契約は、新所有者(買受人)には全く通用しないのです。

新所有者の前では、従来の賃貸借契約書は消滅してしまい、無効、なのです。

賃借人は、立場が、合法的賃借人から、なんと不法占有者になってしまいます。

敷金をいくら預けたんだよ、と契約書片手に新所有者に詰め寄っても、法律は守ってくれません。

それどころか、居座ろうとしても、(表現が悪いのですが)強制執行で叩き出されてしまう運命にあります。

買受人に対しては、契約自体が無いのですから。



そこで、買受人の対応です。

大抵、収益用物件を取得するのは当然、家賃が目当てです。

できれば、今の賃借人に引続き借りて貰いたいです。

いったん退去されますと、まずリフォーム、並行して、入居者の募集。

結構経費がかかってしまいます。


買受人の中には、法律の判断を優先して、

現在の賃借人と契約をする時、新たに敷金を要求する方がいます。

これ、必ずもめます。

あたり前です。

賃借人は、何の悪さもしていません。

青天の霹靂の被害者です。

そうして、賃借人は、面白くない、と退去するケースがあります。

今、敷金なし、なんて物件も結構あります。

冗談じゃあない、のです。


私が収益用物件取得を目的とした依頼者にする基本的コンサルは、敷金を負担したほうが良いです、というアドバイスです。

但し、1年以上は借りてください、などという条件をつけたら如何ですか、と。

せいぜい敷金は多くても賃料の2ケ月分です。

退去されて入らなくなった賃料のマイナス分と、新たに募集するのに支出する金額の合計額のほうが敷金よりはるかに上回っているはずです。

まあ、例外的な場合もあるでしょうが・・。



商業ビルの場合は別です。

なんといっても、保証金の額が違います。

その辺の判断は、専門業者と相談されてください。





明渡交渉での債務者の駆引き





昨日、1件、強制執行で、執行官から引渡を受けました。

空家のマンションで、現況調査報告書の写真では、多少家財が残置されているようです。

落札後、所有者を探し、手紙を出しました。

多少の金銭の提供をするので、任意の明渡をして欲しい、という内容です。

私は、簡単にケリがつく案件、と思っていました。

どうみても、債務者に都合のよい提案です。

案の定、債務者から連絡がありました。

期日を決め、物件の前で待合わせをしました。

当日、高齢の債務者が鍵をあけました。

私、「さあ、中に入りましょう。」

債務者、「いや、私は入らない。入るのはあんた一人で入ってくれ。」

私、「なに言ってるんですか。なかに入って、いるもの、要らないものを確認して、書類にサインをもらって、それで引渡が終わるんです、そこでお金を渡します。」

債務者「冗談じゃあない。私の意思に反して売られたんだよ。そんなことはできない!あ、そう。じゃあ、この話はなかったものにしよう。」

そう言うと、サッサと物件に鍵をかけて、エレベーターに歩き始めました。

その姿は、なにか不自然です。

私があわてるのを期待しているような感じです。

私「ちょっと、待ってください。書類に目を通して、それから決めてはどうですか?」

債務者、「いや、いやだ。私はどんな書類にもサインはしない!」


私は、債務者が誰かに入れ知恵をされている、と確信しました。

「そんなら結構です。」

今度は、私が拒否しました。

債務者と私は、無言のまま、一緒にマンションの玄関をでました。

債務者が先に車に乗り込み、帰りました。

私が帰る途中、債務者の車が路肩に止まっていました。

私が追いかけてくるのを待っているようです。

あえて、私はその車を無視し、追い越しました。

この時、強制執行で処理しよう、と決めていました。

駆引きをしてくる債務者と、任意の話合をしましても、こちらが振り回されるのがオチです。


どうも最近、以前と異なり、明渡交渉に素直な態度で応対する債務者が幾分減ったような印象です。

一般の方でしたら、駆引きに応じるケースがあるかも知れません。

専門業者としての私は、債務者の下手な駆引きには、嫌悪感を感じるだけ。

最初に提示した条件が良いだけに、何か裏切られた気持ちになっていました。


そして、昨日の執行です。

残置物が無価値物と執行官が判断すれば、1回の執行で終わります。

それが狙いです。

そうしましたら、執行費用は数万円です。

開錠技術者に数万円払っても、トータル5〜6万円で済みます。

しかし、開錠してみなければわかりません。

なにか搬入されているかも知れません。

現況調査報告書添付の写真ではそれほどでもないのに、実際は天井まで物が積み重なっていたこともあります。

中に入るまでは不安がありました。




室内は、ホコリのかぶったソフア、事務机、壊れた照明器具の一部でした。

執行官は、無価値物、と判断しました。

その場で引渡を受けました。

代金納付手続きからは3週間ほど経過していました。





不景気の雑感5






三点セットをネットで見ますと個人名が黒色で消されています。

昨日、横浜地裁に行きました。

入札前に、個人名を確認したいためです。

閲覧室で、三点セットを見ました。


ついでに、「配当要求終期の公告」という小冊子をみました。

差押されたばかりの物件の一覧です。

これを見、登記簿謄本を取得して所有者を調べて訪問、任意売却を勧める業者がたくさんいます。

「配当要求終期の公告」を暫くぶりに見て、あれ、ちょっと違う雰囲気に気付きました。

鎌倉、藤沢の湘南地域の物件が、以前閲覧した時より、確実に増えています。

湘南は、神奈川県内の多額納税者が多数住んでいます。

同様に、横浜市青葉区の高級住宅街の物件も増えています。

すべて敷地の広い一戸建です。


ここまで不景気の波がジワジワ浸透しているのですね。

不景気は、競売物件が増えて忙しいでしょう、という方がいます。

しかし、購入者も減少しています。


まあ、誰にでも都合の良い時代なんてあるわけないでしょう。







三点セットのどこが大切 ? 5



今日のポイント・・収益用物件の注意

物件明細書の「3 買受人が負担することとなる他人の権利」の欄に「賃借権」として、概要が記載されている場合があります。

その場合、買受人(=落札者)は、そこに記載された賃貸借契約を引き継がなければいけません。

従来の貸主の立場を、買受人が引き継ぐ、つまり、買受人が貸主の立場になります。

そうして、従来の賃貸契約は続行しなければいけません。

敷金についても、買受人は、借主に対して、返還義務を負います。

預かってもいない敷金を返還するなんて不合理だ、と思う方も多いはずです。

裁判所もそれは承知しています。

評価書をみれば分りますが、売却基準価額算出の過程で、買受人が負担する敷金分を控除しています。


問題は、
「3 買受人が負担することとなる他人の権利」が「なし」となっている場合の賃借人に対する、収益用を目的に購入した買受人の対応です。

法律を前面に押し出す対応によっては、結果的に損をするかも知れません.

その辺は次回お話させて頂きます。。



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約40年近く競売業務に従事。
でも、
多少のトラブルを経験しました。
残念ながら!!!

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