裁判所の不動産競売物件・(物件調査・入札・明渡交渉・強制執行などの詳しいお話)・足と汗で掴んだ実践ノウハウです。


専門書には書かれていない、エンドユーザーの為の実践の知識・知恵・気配り、事務手続など、お話しています。

主に初心者の方対象のブログです。
競売以外の気楽なお話、人生模様も少々・・。
                    

2013年05月

落札物件が火事で燃えてしまった、どうすればいいのー


折角落札した一戸建てが、代金納付手続きを行う前に火事で燃えてしまった、どうしよう。

そういう場合の買受人の救済方法を、競売の法律・民事執行法は第75条で定めています。


まず、買受人が落札物件に放火して燃やしてしまった、なんていう場合は勿論ダメ、適用外です。


あくまで、買受人の責任ではない原因で燃えた場合です。

即裁判所に、

火事で燃えたから、建物は使用できません、

落札した事を白紙にもどして欲しい、

と申立てることができます。

白紙に戻れは、保証金は返還されます。


競売の手続きでは、開札期日から数日〜1週間の間に、

売却許可決定の言渡しがされます。

売却許可決定の言渡しとは、

開札期日のトップ当選者(=最高価買受申出人)に対して、

裁判所が調査して、何の問題もなければ、

正式に「あなたに売却する事を許可します。」と言渡すことです。

開札期日から売却許可決定の間に火事で燃えてしまい、

建物が使えなくなり、これじゃあ要らないよ、という場合は、

売却不許可の申出、をします。

売却する事を許可しない、という決定をしてほしい、と申立てる事です。


売却許可決定が言い渡されてから、

代金納付手続きまでの間に燃えた場合は、

売却許可決定の取消の申立ができます。


書き方は、裁判所で聞いて下さい。

現場写真を撮って、見て貰いながら説明すると良いでしょう。


申出をしたからと言って、全て通るわけではありません。

全焼などは通るでしょうが、程度の軽い場合はどうかな、というのが75条です。

売却許可決定が言い渡されますと、

ともあれ、火災保険をかけておこう、という業者さんもいます。


以下、75条を掲載しておきます。

これは、色んな場合に類推解釈されますので、知っておくと良い条文です。
。。。。。。。。。


第75条  

1. 最高価買受申出人又は買受人は、買受けの申出をした後天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合には、執行裁判所に対し、売却許可決定前にあつては売却の不許可の申出をし、売却許可決定後にあつては代金を納付する時までにその決定の取消しの申立てをすることができる。ただし、不動産の損傷が軽微であるときは、この限りでない。

2. 前項の規定による売却許可決定の取消しの申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。

3. 前項に規定する申立てにより売却許可決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
。。。。。。。。。


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たくましい人たち。



今は昔の話です。

競売業界に足を踏み入れた頃。

日頃とても温厚なAさんとお話をしました。

彼、大学をでると、亡くなった父親の跡を継いで社長に就任。

数年で倒産。

競売で家を失い、職業を転々。

私の、

「その中で、特に印象に残った仕事ってあります?」

という質問に、

「キャバレーのボーイの時かなあ。」

キャバレーとは、今ならキャバクラかな。

入ってすぐ、キャバレーの裏方仕事は慣れていない新人のころです。

お客さんがゲロ吐いて洗面台が汚物だらけ。

排水口も詰まっていました。

床も汚物が散らかっています。

掃除をしようとモップを探しました。

ところが、どこを探してもモップが見つからない。

息子の年齢に近い店長に、状況を説明して、

「モップが無いので買いにいっていいですか。」

「ーーー店長、何て言ったと思う?」

「さあ、分りません。」

なんの感情もこもらない、さらりとした口調で、

「手でやっといて。

早くしてよ。

お客様が洗面所を利用できないと困るから。」

ゴム手袋なんかありません。

思わず、

あれはまいったなあ。

考えたら、店長もそんな事は何度もやってたんだね。

そうでなければ、即かえってくる言葉じゃあないもの。

なに、僕もすぐ慣れましたが・・。

キャバレーは、会社を潰す前なんて毎晩通ったもんだよ。

その頃は、店の奥で、そんな事をしているなんて想像もしなかった。



この話、つい最近ですが、

やはり自宅を競売で失ったBさんに話した事があります。

そうしたら、

期待に反した反応です。

「ハハハ、そんな事はどうってことないよ。

僕は、汚れた便器の中に手を突っ込んで掃除ができますよ。

もちろん、素手。

お客さんが見てる時にやって見せるの。

そうするとね、余分にお金をくれる人がいるんだなあ。」

手は、消毒すればいいもの。

汚い仕事、人が嫌がる仕事ほどお金になるんですよ。」

バブルの頃は、高級車を乗り回していました。

「あのころに比べて、今のほうが気持ちが落ち着いているんだよなあ。」

【人の目】に対する意識の持ち方?なのでしょうね、きっと。




賃借人が退去した後に残された債務者兼所有者所有の動産に対する対処方法?



◎さび様のご質問

初めまして、いつもブログ読ませていただいております。
とても分かりやすく、ためになります。

空き家であっても、みだりに鍵を交換したら自分でなんとかしたとみなされてしまって駄目なんですね。
勉強になります。

そこで一つ疑問が浮かんだのですが、例えば債務者兼所有者が、抵当権設定後に賃貸契約を結び第三者に貸しているマンションがあったとして、この物件を落札した買受人が、占有者と交渉し、占有者には穏便に出て行ってもらったが、押し入れやベランダの物置などに占有者のものでない動産(債務者兼所有者が、占有者に預かってもらっていた荷物)が
残されていた場合、どのように対処したらいいのでしょうか?荷物の持ち主は話し合いに
応じてくれない人だと想定します。

買い受け人は、交渉の末、占有者から了承を得て鍵を受け取っているので自力救済になり、債務者兼所有者の荷物に対する引渡命令の申請はできなくなるのでは?と考え、ではその場合この残った荷物にはどういう対処をしたらいいのかな?と疑問に思ったので、質問させていただきました。
もし良かったらご教示いただけると嬉しいです。
(私の文章が分かりにくく、また知識不足ゆえ変な質問ですみません)
お手数をおかけしますが、どうぞよろしく
お願いします。

◎管理人の回答です。

ご質問、ありがとうございます。
又、いつも覘いて頂き、感謝致します。

そのような事例はあるかもしれませんが、
現実的には、私はあった事はありません。

もし、そのような物件でしたら、
事前にしっかり調査して、
最初から引渡命令で対処すると思います。

私のホームページの掲示板で、プロ中のプロが回答しています。ご質問を転記させて頂きました。

http://8247.teacup.com/224/bbs

参考にされて下さい。
ありがとうございました。







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競売物件を取得した年度の固定資産税等は買受人にも負担義務があるの?


通常の取引(=任意売却)の場合、

決済時(=引渡時)において、

取得年度の固定資産税、都市計画税(以下「固定資産税等」と言います)は、

売主・買主が所有期間に応じて、

日割で精算して負担するのが普通です。


競売物件の場合はどうでしょう。

判例では、取得した当該年度の固定資産税等については、

買受人に負担義務はない、としています。

参考までに、判例の要旨を以下に掲載いたします。

。。。。。。。。。。

(東京高裁判決平成13.7,31)

地方税法は、固定資産税について、いわゆる台帳課税主義を採用し(同法343条)、かつ、賦課期日は当該年度の初日の属する年の1月1日であると定めております(同法359条)、法律上の納税義務は、同日の所有者名義人のみが負うとされていることが明らかである。

 また、都市計画税については、その賦課徴収は固定資産税の例によるものとされるとともに(同法702条8第1項)、その賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とされており(同法702条の6)、都市計画税についても、法律上の納税義務は、同日の所有名義人のみが負うとされていることが明らかである。

 また、不動産の譲渡が当事者間の合意によって行われる場合には、当事者間で固定資産税又は都市計画税の相当額(以下「固定資産税等相当額」という。)の負担について合意により調整することが可能であるが、不動産競売手続においては、その余地は全くない。さらに、現在の不動産競売の実務において、固定資産税等相当額を買受人に負担させないことを当然の前提として、不動産の評価及び最低売却価格の決定がされていることは、当裁判所に顕著である。

 これらの事情を考慮すれば、不動産競売手続により不動産を取得した者が、その不動産について、取得日が4月1日から翌年1月1日までの間である場合にあっては、当該年度に係る固定資産税等相当額、取得日が1月2日から3月31日までの間である場合にあっては、当該年度及び翌年度に係る固定資産税等相当額を負担しないとしても、その不動産競売手続きにおいて上記固定資産税等相当額を買受人に負担させることを前提として不動産の評価がされ、最低売却価格が決定されたなどの特段の事情のない限り、上記固定資産税等相当額を不当に利得したということはできないというべきである。」

。。。。。。。。。。


マンションの滞納管理費等に対する扱いとはちがいますので、ご注意ください。

マンションの滞納管理費等は、買受人に負担義務がありますので、

売却基準価額算出の際、その時点で明らかな滞納額は、控除しています。

さらに、物件明細書備考欄に、

普通は、「管理費の滞納あり」という注意書が付されています。


固定資産税等につきまして、物件明細書に記載は一切ありません。

買受人に、取得年度の負担義務はありませんので、

入札希望者に注意を促す必要が無いからです。

売却基準価額算出過程におきましても、

固定資産税等の負担義務はない、という事を前提にしています。


以前、競売になった不動産の、

当該年度分の固定資産税等を全納していた旧所有者が、

その年度中に競売で所有権を取得した買受人に対して、

取得以降の期間に相当する固定資産税等に対して、

不当利得返還請求を求めましたが、裁判所は認めませんでした。
(大阪地判平23,2.7)



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引渡命令についてА宗叔禺人が注意する事―その2(旧所有者に貸したら・・)



引渡命令の申立の資格を有する人の注意事項があります。

申立の資格を失う行為を、うっかり何の気なしに行っている場合があります。

あとで指摘され、損害を被るかも知れません。

充分に注意してください。


落札しますと、

「債務者兼所有者に貸しませんか。」

などと提案をしてくる業者?がいます。

貸しても心配ないような条件?を提示してきます。


又、入札希望者からの、こんな相談があります。

「今居住している所有者(債務者)に貸して賃料を貰い、もし家賃滞納したら、引渡命令で強制執行をして出て貰う事を考えていますが、どうでしょうか。」


これは、無理です。

ただ、管理人は、賃貸契約の条件等につきましては、不案内です。

引渡命令の観点からのみ、お話させて頂きます。


一度、旧所有者(債務者)と賃貸借契約を締結すれば、

その後、家賃滞納が生じましても、引渡命令を活用して解決を図ろう、という考えは危険です。

旧所有者に占有を認めていますので、

家賃滞納があったから、さあ出ていけ、

と引渡命令を利用して退去させることはできないい、と思ったほうがよいでしょう。

もし、出て行って欲しい場合は、

新たに、明渡請求訴訟を提起しなければいけません。

突然訪ねてきた業者?の、

「旧所有者(債務者)に貸しませんか」などという提案は,

のらない方が賢明のような気がするのですが・・。


ただ、うちの会員様で、旧所有者に貸している事例があります。

その旧所有者、生活保護を受けていますので、

収入はしっかりしていました。


。。。。。。。。。。


以下は、管理人が参考にさせて頂いている専門書です。

【「民事執行の実務(上)」[補訂版][不動産執行]著者 深沢利一 補訂 園部 厚】
の604ページ中段からの引用です。

(3) 買受人の引渡命令申出資格喪失
に、次の記述がありますので抜粋させて頂きました。

<買受人が目的不動産の占有を取得したり、占有者に対して占有権原を付与したりした場合、以後は、引渡命令の申立資格を喪失すると解される(東京高裁決定平成10・7.・8判例時報1671-77)。>


これは、【「民事執行の実務第3版・不動産執行編・下 編著者 東京地方裁判所民事執行センター実務研究会】115ページ最下段の3行でも同文が記載されています。

。。。。。。。。。。

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今は、
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管理人 千葉 重雄 

トラブル嫌いです。

トラブルどんと来い、
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たいてい
いつの間にか
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でも、
多少のトラブルを経験しました。
残念ながら!!!

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