裁判所の不動産競売物件・(物件調査・入札・明渡交渉・強制執行などの詳しいお話)・足と汗で掴んだ実践ノウハウです。


専門書には書かれていない、エンドユーザーの為の実践の知識・知恵・気配り、事務手続など、お話しています。

主に初心者の方対象のブログです。
競売以外の気楽なお話、人生模様も少々・・。
                    

2013年06月

債務者は入札に参加できない、って本当ですか?



債務者は入札に参加できない、って本当ですか?

本当です。

裁判所の競売を司る民事執行法という法律の68条には、

次のような条文があります。

。。。。。。。。

(債務者の買受けの申出の禁止)
第68条 債務者は、買受けの申出をすることができない。
。。。。。。。。

理由は、債務者はまず弁済(借金を返済)すべきである、という判断です。

では、連帯保証人、第三取得者、担保権実行における債務者でない不動産所有者、はどうでしょう。

全て、「可」、入札に参加できます。


連帯保証人は 売却許可決定を受けるのは何ら問題はない、としています。(東京高裁決定昭和59、6,13)


第三取得者とは、抵当権のついている不動産を、抵当権のついたまま、所有権等を取得した人(法人)を言います。

通常の取引では、所有権を取得する場合、それまでの抵当権等は抹消します。

そして新たに銀行ローンを組んだりします。

抵当権等を抹消しないで所有権を取得するなどは、

一般の方にはなじみのうすい取得形態ですね。

第三取得者は競買人となることができます。(大判明38,5,8)


お金を借りた(債務者)人の為に、自分の所有する不動産を担保として、金融機関に提供した人(法人)は、どうでしょう。

この場合の所有者は、入札には参加できます。

【担保権実行における債務者でない不動産所有者の買受申出の可否。
(昭和55年度広島高裁管内協議会、山口、岡山、鳥取、秋田地裁管内執行事務打合せ会(執務資料(二)[51]))
○積極。】


又、買受の申出でをすることができる者が制限されている時は、所定の資格を有することを証する文書を提出するのが普通です。

例えば、農地の場合の適格証明書です。



競売の基本が学べるホームページ。

大きな損失を防ぐための小さな出費は必要経費!!

保証金の額は間違わないように!


入札保証金の額は、しっかり確認しましょう。

まあ、普通、入札保証金の金額を間違うことは滅多にないと思います。

でもね、ウッカリミスは、本当にウッカリ気分の時、

たまぁ〜〜〜に起こるかも知れません。。


かって、こんな事がありました。


Aさんは、保証金が¥4、946、400円の処、うっかり、400円少ない¥4、946、000円を保証金とし、入札に参加しました。

開札期日において、執行官は、Aさんを開札に加えず、他の入札者の中からYさんを最高価買受申出人としました。

Aさんは文句をつけました。

結果、執行官の措置に対して、著しく不当である、として、Yさんは 売却不許可決定となりました。(仙台高裁決定平成2,1,10)


それから約半年経過。


Bさんは、保証金が¥1、384、000円のところ、4、000円少ない¥1、380、000円を保証金と思いこみ、その額で入札に参加しました。

開札期日において、執行官は、Bさんを入札に加え、最高価買受申出人としました。

この措置に文句をつけられました。

結果、執行官のこの措置は、売却不許可事由にあたる、としました。(大阪高裁決定平成2,7,12)


全く正反対の判断です。


これあ、現場の執行官の先生方も、「どうすりゃいいんだ思案橋!」(←昭和演歌の引用)で、頭にきているかも知れません。


まあ、保証金の額は、間違わない事が一番です。




競売の基本が学べるホームページ。

大きな損失を防ぐための小さな出費は必要経費!!

落札物件の瑕疵が判明した場合、どうすればいいのーーぁ宗充殺等事故死の場合


前回、事前調査についてお話させて頂きました。

でも、事前調査しても分らない場合があります。

以下の事例は参考までに。


◎空家物件で、三点セットには、自殺についての記載は全くありませんした。

落札してから、自殺があった物件、という事がわかりました。

買受人は、現況調査を担当した執行官が自殺の事実の調査を怠ったのは執行官の調査ミスとして、国家賠償法に基づく損害賠償の請求の訴えを提起しました。

さいたま地裁において、平成21年1月30日、執行官に過失があるとはいえない、として、この訴えは棄却されました。


◎元所有者が競売建物内で自殺した事を縁由とし生活環境が結果的に当該建物の交換価値に減少をきたしたとして民事執行法第75条第1項を類推適用して売却不許可決定がなされた事例。(福岡地裁平成2、10,2)


◎競売の目的居宅内で所有者の夫が自殺した事が判明した場合について民事執行法第75条第1項を類推適用して売却許可決定が取り消された事例。(札幌地裁平10、8,27)


◎事故死かどうかは不明ですが、債務者兼所有者が競売物件であるマンションの一室で死亡し、その遺体が4ケ月も放置され腐乱した状態で発見されたため売買価額を減額せざるを得ない時は、競売物件の交換価値が著しく損なわれたものであり、民事執行法第75条1項の損傷に当たるとされた事例。(名古屋高裁決平22、1,29)
これは、原審では、売却許可決定の取消の申立が却下され、執行抗告で逆転、認められた事例です。


いろんなケースで、裁判所の判断もいろいろのようです。

不幸にして、落札物件が事故死物件だった場合は、

売却不許可決定の申立、或いは売却許可決定の取消の申立をして、

白紙に戻す事を考える、というのも一法です。

ただ、希望通りいくかどうかは分かりませんが、

申立書作成につきましては、弁護士・司法書士など専門家に相談されたほうが良いでしょう。


以下、民事執行法第75条(再掲載)、民事執行規則第29条を掲載させて頂きます。

参考にされて下さい。

。。。。。。。。。

第75条  

1.最高価買受申出人又は買受人は、買受けの申出をした後天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合には、執行裁判所に対し、売却許可決定前にあつては売却の不許可の申出をし、売却許可決定後にあつては代金を納付する時までにその決定の取消しの申立てをすることができる。ただし、不動産の損傷が軽微であるときは、この限りでない。
2.前項の規定による売却許可決定の取消しの申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
3.前項に規定する申立てにより売却許可決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。

。。。。。。。。。

(現況調査報告書)
第二十九条
1 執行官は、不動産の現況調査をしたときは、次に掲げる事項を記載した現況調査報告書を所定の日までに執行裁判所に提出しなければならない。
一 事件の表示
二 不動産の表示
三 調査の日時、場所及び方法
四 調査の目的物が土地であるときは、次に掲げる事項イ 土地の形状及び現況地目ロ 占有者の表示及び占有の状況ハ 占有者が債務者以外の者であるときは、その者の占有の開始時期、権原の有無及び権原の内容の細目についての関係人の陳述又は関係人の提示に係る文書の要旨及び執行官の意見ニ 土地に建物が存するときは、その建物の種類、構造、床面積の概略及び所有者の表示
五 調査の目的物が建物であるときは、次に掲げる事項イ 建物の種類、構造及び床面積の概略ロ 前号ロ及びハに掲げる事項ハ 敷地の所有者の表示ニ 敷地の所有者が債務者以外の者であるときは、債務者の敷地に対する占有の権原の有無及び権原の内容の細目についての関係人の陳述又は関係人の提示に係る文書の要旨及び執行官の意見
六 当該不動産について、債務者の占有を解いて執行官に保管させる仮処分が執行されているときは、その旨及び執行官が保管を開始した年月日
七 その他執行裁判所が定めた事項
2 現況調査報告書には、調査の目的物である土地又は建物の見取図及び写真を添付しなければならない。
。。。。。。。。。


競売の基本が学べるホームページ。

大きな損失を防ぐための小さな出費は必要経費!!

落札後に物件の瑕疵が判明した場合、どうすればいいのーーF札する前の注意事項


今日のお話は、

物件内で自殺など事故死があったとしても、

転売目的ではないし、そんなことは 気にしないさ、という方には無縁な話です。


事故死の起きた物件には関わりたくない、というのが、普通の感覚でしょう。

その為には、事前調査でのチェックが大切です。

マンション一戸建を問わず、(特に空家は)必ず調べておきたいものです。

私は、現地調査に行った時、所有者の情報は隣家などで聞いてみます。


大分以前、ある信用調査会社のベテランさんの一言。

「一番聞きたいことはさりげなく、

聞かれた相手が聞かれた事を覚えていないような、

さりげない聞き方がいいんだよ。」


私の経験で、こんな例がありました。

「あー、ご主人死にましたよ。」

「死んだ、自殺ですか。」

「いえいえ、たしかガンだったかなあ。市民病院で亡くなりましたけど。」

これは事故死とはいえないでしょう。


実際、所有者が競売物件から数百メーター離れた山林で自殺した事例では、

買受人が売却許可決定の取消を求めましたが、

民事執行法第75条の類推適用はできないとし、

取消は認められませんでした。(仙台高裁決平8、3,5)


お隣近所が留守で情報がとれない、という場合も少なくありません。

ご近所さんの苗字をメモしておき、

事務所に戻り、104番で住所と苗字から電話番号を調べます。

あれば電話しますが、最近は登録していない家も結構あります。


たまに、ネット上で所有者の情報がとれる場合もあります。


とにかく、?を感じたら、やれることは全てやってみます。

それでも分からなければ、

最終的には、資料、現地等を総合しての勘で判断をしています。

ただ、私がテリトリーとしています(横浜地裁を中心とした)神奈川県は、

その面での執行官の調査はしっかりしているなあ、という印象をもっています。



競売の基本が学べるホームページ。

大きな損失を防ぐための小さな出費は必要経費!!

落札後に物件の瑕疵が判明した場合、どうすればいいのー◆粉浜人の経験した事例)


私が相談をうけた事例で、以下を経験しました。

住宅街の中にある土地の実面積が、裁判所で売り出した面積より3割も少なかった。

接面道路が、位置指定道路ではなく、建替え時、建築確認がとれないのに、その記載がない。

敷地の一方が広い法地で、古い玉石の擁壁で押えられていました。老朽化した建物を取り壊して、新たに建築する為、建築確認をとるには、擁壁も全面やり換えなければならず、その費用が1000万以上かかるかも知れないのにその記載がない。

これらは、通常の不動産市場で、買手に知らされないで取引が成立、などという事はまず考えられません。

宅地建物取引主任者が、契約前に、重要事項説明書でしっかり説明をします。

大手業者ほど、物件の瑕疵についての説明はしっかりなされているようです。


上記3例とも売却許可決定の言渡しを受けてから判りましたので、売却許可決定の取消を求めました。

言い分が認められたのは,世韻任靴拭


△蓮現在住めるのだから良いだろう。

競売は、転売を目的として、売却を実施しているのでは無い、という理由で、認めて貰えませんでした。

(その後、同じような事例で裁判となり、原告(買受人)が勝訴した、という記事を読んだ記憶はあります。確か、京都地裁ではなかったかなあ。)

も、全く認めて貰えませんでした。

「通常の不動産取引では考えられないですね。」と書記官に皮肉を込めた感想を述べた処、

「競売は、宅地建物取引業法には制約されません。」とピシャリ。


競売物件の瑕疵は、余程の事でないと、なかなか認めては貰えないようです。

事前調査の重要性をつくづく実感した次第です。





競売の基本が学べるホームページ。

大きな損失を防ぐための小さな出費は必要経費!!
ランキング参加中です。

人気ブログランキングへ


 ↑  ↑  ↑  ↑

ここにマウスをポン!!

押して貰うと感謝です。
最新記事
いらっしゃいませ!
ご訪問、感謝致します。


このブログは、
初めて競売物件に
興味・関心を持った方が
失敗・損をしないよう、
願いを込めながら、
真剣につくってます。

管理人の、
おせっかいと取越苦労、
そのお話を詰込みました。

競売絡みの感想,
感動したお話、
普通の日記・・等々

誰にも、もっと分りやすく、

を念頭にお話していきます。


ただし、あくまで、
管理人の経験と私見です。
ひとつの参考として、
覘いて下さい。



是非、又お越し下さい。
お待ち致しております。

ありがとうございました。

管理人 千葉 重雄



記事検索
コメント欄での広告お断り。
この欄での、

広告宣伝はお断り致します。

掲載は致しません。

悪しからずご了承下さい。
コメント、ありがとうございます。。
非公開、管理人へのメッセージ
管理人の考え方


chiba30

慎重にして慎重。
細心にして細心。

小心と言う人がいます。
若い頃はちょっと不愉快。

今は、
「小心」大いに結構。

猪突猛進は、大怪我のもと。
下手をしたら、命とり。
競売には「小心」が一番。

この頃、
自分が選んだのではなく、
神様がくれたこの性格に
心から感謝しています。

本当にありがとう!!

http://www.keibai.co.jp



管理人のこと


管理人 千葉 重雄 

トラブル嫌いです。

トラブルどんと来い、
そういう強気の業者さん、
たいてい
いつの間にか
姿を見せなくなってます。

無事故をめざしつつ、
慎重に、慎重に
約40年近く競売業務に従事。
でも、
多少のトラブルを経験しました。
残念ながら!!!

不動産コンサルテイングマスター
(5)第14994号

宅地建物取引士
(東京)第016382号

042-748-1876
e224@nifty.com


全国裁判所情報
とても嬉しいです。

このグロブが、学研の

最新人気ブログランキング200

に取り上げて頂きました。

嬉しいです。
感謝でいっぱいです。

ありがとうございます。


ご協力に感謝・感謝です。
  • ライブドアブログ