裁判所の不動産競売物件・(物件調査・入札・明渡交渉・強制執行などの詳しいお話)・足と汗で掴んだ実践ノウハウです。


専門書には書かれていない、エンドユーザーの為の実践の知識・知恵・気配り、事務手続など、お話しています。

主に初心者の方対象のブログです。
競売以外の気楽なお話、人生模様も少々・・。
                    

2013年12月

「代金納付日から6ケ月間明渡しが猶予される」に関する事。


賃借人がいる場合で、物件明細書には、「代金納付日から6ケ月間明渡しが猶予される」という文言記載がよくあります。

これは、民法395条に基づいた記載です。

条文は以下です。

。。。。。。。。。。


(抵当建物使用者の引渡しの猶予)

第395条 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者

二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者

2 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。

。。。。。。。。。


業者さんには馴染みの条文でしょう。

素人解釈ですが、大まかな意味はこのようです。

。。。。。。。。。。


建物に設定された抵当権の登記日より遅れてその建物を借りた賃借人は、

その建物を落札した買受人に対して、建物を明渡さなければいけません。

ただ、直ちに明渡させるのは酷、ということで、

代金納付日から6ケ月間、明渡が猶予されます。

勿論、その間、建物を使用した対価の支払いはしなければいけません。
(対価は、賃料ではなく、使用損害金です。)

抵当建物使用者が、

買受人から、1ケ月分以上の支払の催告を受けても、

相当期間内に支払をしない場合、

買受人は、引渡命令の申立ができます。

。。。。。。。。。


ここで、「建物を使用した対価」とは何を基準にすればよいのでしょう。

今までの賃料に相当する額なのか、

それとも、買受人が希望する金額でもよいのでしょうか。


例えば、賃料¥10万円で借りていた賃借人に、

まあ、極端な金額でしょうが、

例えば¥50万円を支払え、と請求して払わない場合、

強制執行の為の引渡命令の申立をして通るのでしょうか。

判例集をみてみました。

上記ほど極端ではありませんが、似たような事例がありました。


物件は銀座です。

今までの賃料は、¥125、000円です。

買受人は、「建物を使用した対価」として¥163、000円を請求しました。

抵当建物使用者は、従来の賃料の¥125,000円しか払いません。

そこで、買受人は引渡命令の申立をしました。

引渡命令を得て、強制執行を行い、

早々に立退いて貰おうと思ったのでしょう。

が、引渡命令の申立は認められませんでした。

それはないよ、と、高裁に文句をつけました(執行抗告)。

¥163,000円の根拠として、

不動産鑑定士に調査依頼した報告書、周辺の賃貸条件一覧表をつけ、

請求金額の正当性を主張しました。

添付書類等に対する裁判所の詳細な見解は省きますが、

結果、やはり認めてはもらえませんでした。

結論はこうです。

≪明渡猶予の催告にかかる建物の適正な使用の対価の額は、占有者の従前からの使用収益の継続を前提とした継続賃料の額をも考慮して算定するのが相当である。≫
(東京高裁決定平成22、9,3)


。。。。。。。。。。。


今年最後の記事となりました。

お立寄り頂きました皆様には、心から感謝致します。

どうぞ、良いお年を!!!


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入札書金額欄の記載方法についてほか



過去にこんな事例がありました。

入札金額を初め¥1,500,000と記載しました。

その後、万の単位の「0」を、上からなぞるような形で、「6」と訂正され、訂正印はありません。

この入札書は無効と判断されました。(仙台高裁決定2,6,19)


入札書の金額の記載は慎重にして下さい。 

間違えたら新しい入札書に書き直して提出したほうが良いでしょう。

一応、東京地裁では、書き損じた場合は、一度は訂正印を押せば認めてくれるようです。
(2度の訂正は認めておりません。)

入札書の下段記載の「注意」の3にて、書き損じた時は新しい用紙に書き直すよう、わざわざ注意を促しています。


入札書を入れましたら、封筒は糊付けなどでしっかり封をしてください。

うっかり封をするのを忘れる時があります。

執行官室に持参して提出する場合は、

その場で指導されますから、しっかり封ができます。

郵送での提出の場合は、封が出来ません。

結果、開札に加えて貰えません。

即ち「無効」です。


入札手続きは厳格です。

まあ、これでも通るだろう、という適当な判断は要注意です。



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入札時の資格証明書の提出について。




毎回、複数の入札をしている業者さんのアイデアです。


細かいと思われるけれど、何通もの資格証明書取得費用がなにかもったいない。

一度に複数分の入札書を提出する場合、1通の資格証明書ですませられないのかなあ。

例え6件の入札をするとき、

入札書一式をチェックする窓口で、

1件の入札書一式に資格証明を添付、

他の5通分には、例えば「平成○○年(ケ)第××号入札書に資格証明提出済」というようなスタンプを押して代用なんてことはできないのかしら。


答えは、ノー。


競売手続きを定める民事執行規則の38条3には、

法人である入札人は、代表者の資格を証する文書を執行官に提出しなければならない。≫

という規定があります。


この条文に対する裁判所の見解は、入札対象の物件グループごとに資格証明書は提出しなければいけない、ということです。

事件番号はおなじですが、複数の物件グループに区分けされて、夫々売却基準価額が設定されている場合も、やはり夫々に資格証明書の提出が必要です。


また、その物件の競売手続きで、既に、資格証明書を提出している場合(例えば、その事件の申立債権者)でも、入札時は、再度資格証明書を提出しなければいけません。


まッ、面倒でも、その都度、資格証明書は添付して下さい。







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今は昔のお話・・競売専門会社に入社・・新入社員の最終実地試験は裁判所の競売場

40年近い昔、私は競売専門会社に入社しました。

東京都知事免許業者です。

社長は、某有名私立大学出身。

社員は10人未満、家族的な雰囲気です。

当時の競売専門業者としては、東京ではトップクラスだったと思います。


今と違い、競売の参考書はありません。
(あったとしても、学生時代スポーツにのみ没頭していた私には理解不能だったでしょう。)

テキストと言えば、唯一、判例集でしょうが、

私は、そんな難しい本は見たことも触ったこともありません。

入社後何回かに分けて、土曜日、社長が 競売の実践知識と調査の仕方をレクチャアしてくれます。

宅地建物取引主任の資格はもっていた私ですが、とても新鮮な知識に、ワクワクしながら講義をうけました。


社長は、社員が勤務時間中でも、外出しないで専門書を読んでいますと、

その光景に文句を言わないという不思議な癖(ヘキ)がありました。

勤務時間は、会社に利益をもたらす為の社員の労働提供時間ですが、

私は時々、

自分の知識吸収の為にだけ使っていました、給料を貰いながら!

それが会社の将来の利益につながるのだ、

などというカッコいい屁理屈の認識はまるでゼロ。

独立する為の知識の吸収!


「うちは退職金はないよ。

ただ、身につけた知識は、君たちのものだ。

うちを辞める時、うちで得た知識をおいていけ、と言っても無理な話さ。」


当時、裁判所が提供する競売資料は殆ど無いと同じ。

「三点セット」などはありません。

「三点セット」的情報は、我々営業兼調査マンが自分で集めます。

平日は、登記所と市区役所チェック兼現地調査兼客付けでワンセット。

客付けとは、買手探しです。

都内近郊ですが、1日2セットが目標。

謄本チェックは、現地調査と同じくらい重要な作業と教えられました。
(今、三点セットに謄本を添付していないのが不思議です。)

忘れもしません、調査第一日目。

調査物件は板橋区の1件だけ。

登記簿謄本を、そっくり書き写して来い、という指示です。

それまで仲介業で謄本はなんども見ていましたが、

書き写すという作業は、

それまで私がわかっていると思っていた謄本記載の用語の意味、

謄本全体からにじみでる所有者の一面の把握など、

それまで大雑把だった謄本から得られる情報をより深く教えてくれました。

新入社員にそのことを気付かせることが目的のようでした。


当時、「競売はヤクザがバッチシ絡んでいる」という噂は聞いたことがあります。

私は、まさか、裁判所内で行われる競売に、そんな事がある筈はないだろう。

田舎育ちの私は、ヤクザという職業の人たちを全く知りません。

映画やテレビで見たことがあるだけです。

社長に聞いてみました。

「競売はヤクザがいるって本当ですか。」

社長、首をちょっと傾けて、

「紳士はいるけどなあ・・。」

考える仕草です。

ちょっとホッとしました。


一通り慣れてきますと、折を見て東京地裁の競売場に連れて行かれます。

当時の競売は、今の入札制度ではなく、セリです。

その場でセリをして、そこで競落人(=最高価買受申出人)が決まります。

初めて競売場に連れて行かれた時はビックリ。

大ショックのビビりまくり。

話が違うよ

会社を辞めようか

競売場に、噂通り、本当にいたのです。

すぐに本物と分りました。

黙って立っているだけで、迫力が物凄い。

ウヒャア、こりゃあ映画以上のド迫力!


そういえば、社長は、紳士はいる、と言いましたが、

ヤクザがいない、とは一言も言っていませんでした。

「ヤラレタ!」


以前、連れてこられたある社員は顔面蒼白、

「トイレに行ってきます。」

そう叫ぶと、駆け足で競売場から走り去り、そのまま戻って来なかったとか。

そんなことはよくあるようでした。

ああ、自分ちのトイレに駆け込む奴が多いよ、地震でもないのに。

そのまま翌日になっても出社してきません。

最終実地試験は自ら棄権、という社員が結構いたようです。


社長は良く見ています。

私を裁判所に連れていったのは、最初の1回だけ。

入社そうそう何度も連れていかれたら、私も自宅トイレに駆け込んで戻らなかったでしょう。

謄本の見方や現地調査、客付けの方法を叩きこまれました。

それらの作業はとにかく楽しく、充実感に満たされながらノウハウを吸収しました。


その頃、競売の新しい法律が検討されている、という話を顧問の弁護士先生から聞きました。

「アメリカ(州名は不明)の競売制度を参考にしている。

今までと全く違う環境になるよ。」

その先生も、法律作成に意見具申する一員でした。


社長がポロッともらしました。

「これからは、競売も儲からなくなるなあ。

今まで以上にジックリコツコツの地味な作業をする努力の出来る奴が残るよ。」

その社長も数年前に他界。

葬儀は極々の身内だけで営んだようです。





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管理人 千葉 重雄



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管理人 千葉 重雄 

トラブル嫌いです。

トラブルどんと来い、
そういう強気の業者さん、
たいてい
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無事故をめざしつつ、
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約40年近く競売業務に従事。
でも、
多少のトラブルを経験しました。
残念ながら!!!

不動産コンサルテイングマスター
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