またまた、昔の話で恐縮です。

私が勤めていた頃のことです。

今のように、3点セットなどの、しっかりした資料の無い頃のお話しです。
(お粗末な)資料は、当日競売(入札あるいはセリ)開始の1時間前に見られるだけ。
事前に調査をしないで、物件を買う、なんてこともありました。

Y裁判所の競売日、お目当ての物件が、資料閲覧中に取り下げ。
私の勤めている会社の社長は、がっかりです。
そこに、顔見知りのブローカーの{A}さんが来、社長に耳打ち。

安いけれども、大化けするマンションがある。
1DKだけど、買っておいた方が良いよ。

社長は、{A}さんに、いろんな名目で、(決して返してもらえない)お金を貸していました。

いわば、{A}さんにとっては、社長は恩人。

きっと、良い情報。

なにも見ずに購入。
帰り際、そのブローカーの{A}さん、

良い物件を買ったねえ。

と手を出して来ました。

情報提供料をくれ、というのです。
社長は、たしか¥30万円ほど、渡していました。

翌日早速、私が現地調査です。

マンションの現場につきました。
海岸近くの良い場所です。

そして、購入したマンションとは、・・・


・・・なんと、管理人室でした。

しかも、管理会社と住民が訴訟真っ最中。

アレレ、社長、はめられた・・・。

翌月、Y裁判所の競売場で、{A}さんと社長が再会。

どうなるのだろう???

私はある期待を持って見ていました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

しかし、お互いに片手をあげて挨拶。

それでお終い。

社長は怒らないのです。

後で、他の先輩の業者に聞きました。

当り前だよ。
そんな事で騒いだら、皆のもの笑いだよ。
事前に調べなかったお宅の社長が悪いんだよ。

俺達はプロ、プロなんだよ。
プロっていうのは、全部自己責任さ。

いいかい、良く覚えておきな。

競売は、一にも二にも調査。
調査、調査、調査、調査あるのみなんだよ。


いやでも、慎重に調査をする習性は、この頃に培われたようです。