今は昔。

関東地方の中堅都市。
商店街の中の一番よい立地にある洋品店を落札。

転売のため、地元で売り込み開始。
どうも、食いつきが悪い。

場所的には、文句なしの場所。

昼、小さな食堂でラーメンを食べる。

店主のおばあさんと雑談。
落札した土地の話になる。

反応が鈍いことを話す。

あれ、お客さん、何も知らないの?

エッ!

あそこは、地元の人は手を出さないよ。


だって、あそこは、・・





昔の刑場跡だよ。

何人もの人が殺された場所だそうだ。

あそこは、どんな商売をしても、不思議に潰れるねえ。

地元の人は皆、知ってるもの。

△▲商店(落札した物件の所有者)だって、婿さんが、そんなものは迷信だって言って、強引にあそこを買ったんだよ。

そうしたら、アッという間に倒産だよう。

いやいや、お客さんは随分入っていたんだよ。

普通なら潰れるはずはないんだよ。

何がもと(潰れた原因)かねえ。






私は、どうやってこの物件を販売すればいいのか、悩んでしまいました。

帰社して営業会議をしよう。

こういう事を信じない営業マンにバトンタッチが一番だ。

果たして、そういう事を全く信じない営業マンが、そういう事を全く信じない買い手を、近隣都市から探して来て、1件落着。

その買い手は、年輩者で、東京大空襲の経験者でした。

至る所死体の山の間を逃げ回った人でした。


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刑場で何人殺されたかは知らないが、東京は、その何百万倍以上の規模の人殺しがあったんだよ。

そしたら、都内の土地を買った会社はみんな潰れてる筈だろ。

全国の主だった都市は、やられて(空襲されて)るんだ。

広島、長崎の原爆なんて、もの凄い人殺しだ。

それにくらべりゃあ、・・ね。

それとね、あんまり良い環境におかれると、人間、努力をしなくなるもんだよ。

環境にたよってしまう。

その結果だよ、倒産は。

因縁めいたことに結び付ければ、話としては、面白いからね。

あっ、建築始める前に、お祓いはしっかりやりますよ。


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