戦後、中国大陸に残され、飢えで死の淵を彷徨う日本人が無数にいました。

その人々達に対して、救援の手を差し伸べた中国人がいました。

死刑判決を覚悟し、巨万の私財を全て投げ打った人のお話です。

王 子良さんと言います


晩年の王さん。。


晩年、王さんは、JR線町田駅数分のビルに居ました。

今も営業している「養老の滝」の佐藤ビル。

そこの5階。

部屋は、4畳半です。

そこは、ビルのオーナ−が、無償で提供していました。


オーナーは、

「私のところに王大人(ワンタイジン)がいる。」

という事だけで、

「ビジネスで信用が得られるんですよ。」

私に喜んで言ったことがありました。



王さん曰く

「あれ(オーナー)は、俺の金を幾ら使ったか分からない。」

・・・・・

こんな話を思い出しました。

オーナーが、ある人を紹介してくれました。

気品のあるA社長です。

社員の態度は横柄でしたが・・。

いろんな話の流れのなかで、A社長は私に大きな大きなサファイヤを見せました。

「三越で展示された事があるんですよ。2億でも売りません。」

そのことを王さんに話しました。

「ほう、まだ持っていたんだ。

 あれは、俺のものだよ。

 勝手に持っていってそれっきり返してくれなないんだよ。」

・・・・・ 

 あとで、A社長の実像をオーナーから聞きました。

 高木彬光著「白昼の死角」という小説があります。

 超天才詐欺師のお話です。

 関東関西の実在の詐欺師2人をモデルにしたのでは、と言われています。

 関東のモデルだろう、と囁かれている人物でした。

 
・・・・・


 <オーナーの話>

 本当の欺師師は、騙された人が恨みを持たないんですよ。

 被害者は、刑務所に入った詐欺師の出所を一日千秋の想いで待つんです。

 恋人を待つような心境です。

 最近はいなくなりました、そういう詐欺師は・・。


・・・・・

 オーナーは、一時A社長に白紙のて小切手帳を預けていました。

 「騙される、と分かっていても、そうしてしまうんです。

  蛇に睨まれた蛙、でしょうね。」


 何度も修羅場をくぐりぬけてきた、相当凄まじいオーナーでしたが。

・・・・・ 


王さんの身の回りの世話は「養老の滝」店長夫妻がしました。

王さんと知り合うと、何かしたくなります。

「やってあげて、喜ぶ顔が見たいなあ。」という雰囲気なんです。

王さんは何の要求もしません。

王さんの魅力です。

店長夫妻も私も惹きつけられていました。


店長の奥さんは、実の娘か孫のように、よーく行届いたお世話をしていました。

お風呂も、手伝って入れていました。

死ぬ数年前は、相当に体力が弱っていました。

大変だったと思います。

本当に感謝、感謝。

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王さんの、ちっちゃなちっちゃな内輪のお葬式。

焼香の時、最初の番に、私は店長の奥さんの背中を押していました。







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