他人の不動産を使用している形態は、大まかですが、次の3つに区分されます。


1、 賃貸借

2、 使用貸借

3、 不法占有


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今日は、「不法占有」についてお話させて頂きます。


競売物件の「不法占有」とは、

買受人に対して、

何の権原もないのに、勝手に他人の不動産を占有することです。

最近、少なくなっていますが、まだ若干みられます。


◎、建物について。


神奈川県内でいえば、X支部管轄の物件に偶にあります。

三点セットで空家と認定されているのに、

暴力団が占有している。

強制執行が出来るとはいえ、

経験上、精神的には物凄く悪いです。


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以前、驚いたことがありました。

関東近県のある小さな裁判所(支部)執行官室に、

強制執行の申立書記載の件で電話しました。

女子事務員、ごく普通に

「相手方(=占有者のこと)は、債務者ですか、ヤクザですか。」

え〜〜〜ッ、何て地域だろう・・あ然・・。


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空家に「占有している」という貼紙をして、

素人の落札者から何がしかの金銭をたかるスタイルが、

一時期、全国に蔓延しました。

最近は見なくなりました。

ひょっとしたら、逮捕されたか、

身の危険(=逮捕)を感じて姿を消したのかもしれません。


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平成16年4月1日から、改正民法395条が適用になりました。

競売物件の賃借人が、一定の条件下において、

不法占有者と同視される法的立場に置かれます。

債権回収・執行妨害を図る悪質占有者とは、はっきり区分される、

全くの善意の賃借人が、

買受人が代金納付手続きを終えた瞬間、

一転して、不法占有者の仲間入りです。

預託した敷金・保証金は、新しい所有者(買受人)には、請求できません。

これは、お気の毒、としか言いようがありません。

これの関連記事は、このブログのここ()でお話しています。


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ただ、競売物件を買受ける側の立場としては、

至極当然の改正、というのが実感です。

法の盲点をついた、悪質極まりない輩の跋扈は目にあまりました。

一般人が多数参加するようになった競売市場で、

「だからシロウトは手をだしてはダメ。」

この文言がまかり通るようでは、

まだまだ法的に未成熟な市場でしょう。

国が主催して、一般人の参加を促して来たのです。

一般人こそ保護すべきです。

その為の法改正は、ドンドンして欲しいです。

善良な賃借人の保護も必要ですが、

別の手立てを採用すべきでしょう。


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以下、テナントビル等の募集についての余談です。

担保権が設定された物件は、テナントが敬遠するかも知れません。

現在は、賃貸契約の段階になって、

やっと、重要事項説明で、担保権の有無が説明されます。

将来、テナント募集の際、

担保権の有無が、

賃料、間取りや設備状況等と同じように、

物件案内の前に説明されるようになるかもしれません。

特に、多額の敷金・保証金を預託するケースにおいては、です。


預託金保険、のような商品が出現。

貸主、借主の双方、或は一方が加入して、

借主の預託した金額の全額、あるいは何割かが、

いざ、という場合に保全される制度ができるかも、ですね。

(でも、そうなると、それを狙った保険金詐欺の発生、なんてことが・・。)


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◎ 件外建物の競売申立について。


競売になった土地(敷地)の一部に、

第三者名義の建物が建っているケースがあります。

建築時期は、抵当権設定後です。

執行妨害に悪用しようという意図ありありのケースでも、

訴訟での解決しか、ありませんでした。

話合では、法外な金銭の要求です。

とても応じる事はできません。


改正民法で、このような場合の解決策を示しました。

抵当権者に対抗できない第三者の建物は、

土地と一緒に競売の申立ができます。

「一括競売」といいます。

この場合の建物は、土地の賃借権はありません。

建物の評価は、その現在価額のみです。

土地は、更地価格としての評価です。


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今回の民法・民事執行法改正の1〜2年前から、

法の盲点を食い物にして、悪銭を稼いだ輩のうち、

目先の利いた連中は、

サッサと、法の未整備な他の業界に移って行ったとの事です。

(私にこの情報を提供した業者?も、その後サッサと消えてしまいました。)

ただ、不動産競売の闇の部分の解消は、

貸金業界の浄化とも関連しているような気がしています。

難しいですね。





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