「期限後の更新は買受人に対抗できる」について、お話させて頂きます。



暖かい陽気のなか、裁判所に行ってきました。

物件明細書記載事項で、書記官に質問がありました。



賃借人のいるマンションです。

物件明細書の

「3 買受人が負担することとなる他人の権利」欄に

賃借権としてその概要が記載されています。

文末に、

「最先の賃借権である。期限後の更新は買受人に対抗できる。」

「最先の賃借権」とは、

競売物件に設定された担保権(抵当権、根抵当権)の登記の日付よりも早い時期に契約締結された賃借権のことです。


例えば、


平成5年10月1日  賃貸借契約。

そのあとで、銀行等からその物件担保に融資を受けて、

平成5年10月30日  抵当権設定。


こういう場合の賃借権です。

こういう賃借権のある物件を落札しますと、

契約期間満了の半年前に、

もう契約の更新はしないから出ていって、

と賃借人にいっても、

拒否されれば、法的には契約解除は無理。

家賃の滞納発生以外は、賃借人が契約続行を望めば、

引き続き、契約をしなければいけません。



賃借人が賃貸契約をしてから、

それを承知で、その物件担保で銀行は融資をしました。

その後オーナーが、返済不能になり、競売になっても、

賃借人が契約をした後で発生したことです。

賃借人にはかかわりの無いことです。

ですから、賃借人としての地位は、

買受人に主張(対抗)でき、法的にも保護されます。

それが、

「最先の賃借権である。期限後の更新は買受人に対抗できる。」

の意味です。



今回はこうです。

現況調査報告書で、賃貸契約の締結日を確認しました。

建物の謄本(全部事項証明書)をネットで取得。

あれれ、所有権移転登記と抵当権設定登記の日が、

現況調査報告書記載の賃貸借契約の締結時期と同じです。



質問は、

期日が同じなのに、何故、

「最先の賃借権である。期限後の更新は買受人に対抗できる。」

という文言が記載されているのか、です。

。。。。。。


物件明細書作成した書記官いわく、


「裁判官と相談した結果です。

所有権移転登記、抵当権設定登記、賃貸借契約締結、

日付は同じですが、

いずれも時間までは分りません。

賃貸借契約締結が抵当権に後れている、

と言う明らかな証拠はありません。

限られた資料で、

勝手な判断はできません。

よって、物件明細書記載の文言としました。」


。。。。。。


なるほど、無難な解釈です。


「期限後の更新は、買受人に対抗できない」賃借権として、説明。

実際は、

「期限後の更新は、買受人に対抗できる」賃借権だったら、

買受人に迷惑をかけるかもしれません。

自己使用を目的とした入札希望者もいます。

最悪の状況を説明しておけば、

それより良い結果になって、

文句を言う人はいません。

買受人保護の意味でも良い判断かな。





その気になれば、代行費用の大幅節約ができるかも。
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