今日は、物件明細書に記載されている、

「上記賃借権は最先の賃借権である。」

この文言の意味について、お話させて頂きます。


物件明細書の「3 買受人が負担することとなる他人の権利」欄に、

賃貸借契約の概要が記載されています。

最後に、

「上記賃借権は最先の賃借権である。」

という短い文言が付されている場合があります。

これはどんな意味があるのでしょう。


これは、法的には、とてもとても強い権利ですよ、という、

裁判所のメッセージなんです。

どんなに強い権利なのでしょう。


買受人は、そっくり、以前の賃貸借契約を引き継ぐことになります。

従来の賃貸借契約書の貸主の名前の部分が、

旧所有者から買受人に替わるだけ、と思って下さい。

家賃、契約期間、敷金・保証金その他従来の契約書の諸条件は、

全て新所有者が引き継ぎます。

入札される時は、少なくとも、

物件明細書に記載されている敷金・保証金の額は念頭に入れて検討されて下さい。

買受人が負担するのですから。

。。。。。。

具体的にはこうです。

契約期間終了したら「出て行け、更新はしない。」と要求しても、

拒否されれば、それまでです。

裁判で、

「明渡請求訴訟」を起こしても、

賃借人が家賃を滞納している以外は、まず勝ち目はありません。

貸主が、「自己使用の理由がありますので明渡して下さい。」

といっても、裁判所はなかなか認めてくれません。

賃借人が退去する時は、

買受人が預かってもいない敷金・保証金を、

契約書記載事項に沿って、

買受人の資金から、賃借人に返還しなければいけません。

(売却基準価額決定の際には、その金額は控除されていますが・・。)

。。。。。。

但し、収益目的の購入希望者には良い物件の場合が多いです。

長い間、恐らく家賃を支払い続けているのですから。

しかも、売却基準価額は相当ダウンしています。

「最先」という文言は、競売物件の専門用語であり、

以上のように、結構深い意味があります。


(◎当事者間で話し合って、あらためて契約を締結するのは、自由です。)

。。。。。。

一つ、要注意があります。

収益用物件で検討される場合です。

賃借人が債務者関連の場合です。

債務者本人が代表を務める法人が賃借人、なんていう場合。

賃料が幾ら高くとも、チョット待って下さい。

賃料がきちんと支払われるかどうかは疑問です。

毎月の賃料収入を当てにしたら、躓きかねません。

「払え。」「待ってほしい。」のトラブル続き、なんて事もあるかも。

「最先の賃借権」がどうしてあるの、につきましては、

いづれの機会でお話させて頂きます。




その気になれば、代行費用の大幅節約ができるかも。
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