「法定地上権」の意味と、その存在理由です。

(今日は、ちょっと専門的で、すみません。)


物件明細書「2 売却により成立する法定地上権の概要」欄に、

「売却対象外の土地(地番○番)につき、本件建物のために法定地上権成立」

或は、

「本件 土地につき、売却対象外建物(家屋番号○番)のために法定地上権成立」

こんな文言が記載されている場合があります。

良くみると、建物とその敷地なのに、一方だけが競売で売り出され、

上記のような、訳の分らない文言が記載されています。


同一所有者の建物と敷地を一括で売却すれば良いものを、

わざわざ個別に売却して、

その結果、

建物と敷地の所有者を別にして、

複雑な権利関係を造り出して、

「法定地上権」なんて余計な言葉で、

一般の入札希望者を惑わせています。


「判りやすい権利関係をわざわざ複雑にして、

法定地上権なんて煩わしい!

そう思ってしまう方もいるはずです。

まあ、待ってください。

この現象の起る法的理由はしっかりあるのです。


競売は、

基本的には、債権者、債務者(=所有者)、入札希望者の三者から成り立っています。

競売の法律は、3者をできるだけ平等に、という視点で構成されています。

債務者の財産を守る、という視点もあるのです。


一戸建のマイホームが競売となり、

敷地は¥500万

建物が¥800万という、買受可能価額が算出されたとします。


例えば、借金¥300万円で、マイホームの土地・建物が差押。

この場合、土地・建物の合計¥1300万で売りに出さなくとも、

また、¥800万の建物を競売に出さなくても、

敷地の¥500万を売り出して買手がつけば、

¥300万の借金は返済できます。



仮に、借金¥600万なら、

¥800万の建物を取りあえず競売に出して買手がつけば、

¥500万の敷地は売りに出さなくとも、

¥600万の借金返済はできます。



この時、建物に敷地を利用する権利が無いと、建物は単なる材木の集合体。

(建物だけの競売の入札者は、材木屋さんだけ?)

これでは、自治体も金融機関も困ります。

折角建築した建物を保護することは、国家経済上必要なことです。



一定の条件のもと、

同一所有者の建物とその敷地が、競売で、異なる所有者となった時、

建物に敷地を利用する権利を、国が設定しました。

これが「法定地上権」とよばれています。



敷地と建物をどうして一緒で売りに出さないのでしょうか。

敷地も建物も、それぞれ債務者(=所有者)の大切な財産です。



上記の事例のように、

建物とその敷地のいずれか一方を売却して、

債権者が請求する借金を返済できるかもしれない場合、

債務者が事前に土地・建物の一括売却に同意しない限り、

敷地とその建物を一括売却することはできません。

これを超過売却の禁止(民事執行法第73条)といいます。

「借金返せ」と裁判所に申立てた債権者の借金の額が、

不動産一個(例えば、敷地か建物か)の売却で返済できる場合、

余分な不動産の売却は禁じられています。

それで、「法定地上権」というシステムができました。

(◎今日のお話は、競売申立費用につきましては、考慮外としました。)



(色んな知識を寄せ集めた、巷の業者の独断です。間違っていたら、ごめんなさい



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