競売不動産業界で、昔から言い伝えられた事は沢山あると思います。

私が覚えていますのが、以下の文言です。


1、競売は、調査に始まって調査に終わる。

2、更地、空家は慎重に調査しよう

3、債務者の言う事は信用しない。

4、競売は借地に始まり、借地に終わる。

5、競売は、物件を買うのではなく、事件を買うものだ。


  
今回は、「債務者の言う事は信用しない。」についてお話させて頂きます。


最初にお断りしておきます。



この文言は、債務者の方が「嘘つき」ということでは絶対にありません




事前調査で、競売にかかった物件を訪問して、債務者所有者に面談した時の心構えについて言っています。

債務者は、不安いっぱい、それこそ毎日悩んでいます。

勝手に訪問して来た第三者が、答えの分からない質問をする場合もあります。

一番触られたくない、「痛み」の部分かもしれません。

適当な返事で追い返してしまおう、と思う方がいても当然です。


そういう場合の会話からでも、債務者の「情報」を読み取れ、と、この諺は言っています。

初めて訪問した人間に、債務者(所有者)が発した言葉に隠された情報を感じ取れ、と教えています。


任意売却の話が進行している場合は、債務者が相談している人から、言動を拘束されている場合もあります。

債務者は、あなた様が訪問する数ヶ月前、

差押されて数日後には、業者が訪問しています。

都内の物件では、数十人(社)の訪問がある、という話も聞いています。

所有者は、沢山の訪問者の応対で疲れています。

中には、神経を逆撫でするような言動の訪問者もいたかもしれません。

面談できれば、相手の人間性をみておけばいいのです。

例えば、訪問しますと、睨んで「帰れ」という人もたまにいます。

それはそれで「情報」です。

立ち退きの交渉に、多少強い態度も必要かなあ、という「情報」の獲得です。

一般の方が訪問して、心配の余り、

『出ていってくれますか?』

等と聞いたりする方がいるようです。

聞きたいお気持ちは分かります。

でも、こういう質問はあまりしないほうが良いでしょう。

そのような質問をされましたら、10人のうち9人までは、不快の念を持ちます。

そうでなくても、追い詰められているのです。

ムッとするでしょう。

心を閉ざしてしまいます。

「銀行と話がつきましたか?」とか、

「色んな人が訪問して大変ですね。あッ、私もその一人ですが・・。」

位に、フワッといくといいのですが・・。



かって、私の現地調査での失敗話。



『競売の話はついていますので競売にはなりません。』

  明るく言い放った奥さん。


別の物件では、


『色々動きましたが、競売で処理するしか方法はありません。』

  うなだれる60歳過ぎの男性。



言葉と雰囲気が一致しています。

私は両方とも信用し、次の行動をとりました。

結果は惨めでした。

債務者の言葉は、全く反対だったのです。

私は地団駄踏んでいました、自分のあさはかさに、です。

やっぱり、諺は活きている!

普段、えらそうなことを言ってる割には、結構ドジのしまくりです、幾つになっても。