今日の内容は、記憶に不鮮明の部分があり、一部フィクションで補い、構成しました。





前回のブログで、苦手の占有者に、「中高年の女性」と書きました。


今は昔、こんなことが思い出されます。


都心部の一等地地域の一戸建。

私の勤務する会社が、抵当権つき、占有者つきのまま、購入した物件です。

占有移転禁止の仮処分のため、現場にいきました。


居住するのは、前所有者の母親で独り住い。

若いころは、業界でも有名な美人芸者、だったとか。

70歳を過ぎた今でも垢抜けた感じが粋です。

「絵」になる姿です。


到着時間が少し早かったので、前所有者(子息)と室内に入りました。

「今日はなんだい。」

老女の言葉は、まるで喧嘩口調。

タバコを吸いながら、テレビを見ていいます。

「裁判所が来るからね。」


「フン、誰が来たって、貰うものを貰わなくちゃあ、出ていくもんかい。」

全く、動揺しません。

・ ・お前らが何をしたって、私は動かないさ。やれるものならやってみな・・。

座っている老女から、そんな思いがヒシと伝わってきます。

息子の話では、老女(実母)はしっかり溜め込んでいます。



執行官がきました。

占有状況を確認します。

その時、老女は突然変身しました。

タバコはもう手にしていません。

ヨロヨロと立ち上がりました。

歩くのもやっと、という雰囲気で、執行官の前に倒れるように崩れこみました。

涙ながらに訴えます。

「こんな年寄り独りに、よってたかって・・・・。私は身寄りもないし・・・・

「・・・・」部分は、ただただ涙。

肩を震わせ、全身から溢れる虐められモード。

(あれ、身寄りはここにいるし、他にもいる・・。虐められてるのはこっちなのに・・。)

でも、私、心の中で、思わず自分に聞いていました。

「俺、悪いことをしているのかなあ。」

執行官、すっかり老女の味方です。

我々を、善良な老ホームレスをリンチしてふざける悪ガキでも見るように睨んで、

「まあ、お宅らに言っても始まらないけど、社長に良く言っときなさい。」

そして、何かを言われた記憶があります。

執行官が帰りました。

途端に、老女はすっと立ち上がりました。

タバコを銜え、火をつけ、

「どうだい、こんなもんさ。少しは反省するんだよッ。フンッ。」

煙を我々に吹きつけました。

これ、執行官が見たらドッキリカメラ?

1分前までのお涙モードはなし、あごをグイと上げて、我々を睨みつけます。

その怒りモードの眼力(めぢから)の凄さ。

もし、この場に暴走族のアンちゃんが100人いれば、きっと100人とも、俯いたに違いありません。

「・・・・わけは分らないけれど、・・・・とにかく・・・・ゴメンナサイ・・・・。」