昨日、1件、強制執行で、執行官から引渡を受けました。

空家のマンションで、現況調査報告書の写真では、多少家財が残置されているようです。

落札後、所有者を探し、手紙を出しました。

多少の金銭の提供をするので、任意の明渡をして欲しい、という内容です。

私は、簡単にケリがつく案件、と思っていました。

どうみても、債務者に都合のよい提案です。

案の定、債務者から連絡がありました。

期日を決め、物件の前で待合わせをしました。

当日、高齢の債務者が鍵をあけました。

私、「さあ、中に入りましょう。」

債務者、「いや、私は入らない。入るのはあんた一人で入ってくれ。」

私、「なに言ってるんですか。なかに入って、いるもの、要らないものを確認して、書類にサインをもらって、それで引渡が終わるんです、そこでお金を渡します。」

債務者「冗談じゃあない。私の意思に反して売られたんだよ。そんなことはできない!あ、そう。じゃあ、この話はなかったものにしよう。」

そう言うと、サッサと物件に鍵をかけて、エレベーターに歩き始めました。

その姿は、なにか不自然です。

私があわてるのを期待しているような感じです。

私「ちょっと、待ってください。書類に目を通して、それから決めてはどうですか?」

債務者、「いや、いやだ。私はどんな書類にもサインはしない!」


私は、債務者が誰かに入れ知恵をされている、と確信しました。

「そんなら結構です。」

今度は、私が拒否しました。

債務者と私は、無言のまま、一緒にマンションの玄関をでました。

債務者が先に車に乗り込み、帰りました。

私が帰る途中、債務者の車が路肩に止まっていました。

私が追いかけてくるのを待っているようです。

あえて、私はその車を無視し、追い越しました。

この時、強制執行で処理しよう、と決めていました。

駆引きをしてくる債務者と、任意の話合をしましても、こちらが振り回されるのがオチです。


どうも最近、以前と異なり、明渡交渉に素直な態度で応対する債務者が幾分減ったような印象です。

一般の方でしたら、駆引きに応じるケースがあるかも知れません。

専門業者としての私は、債務者の下手な駆引きには、嫌悪感を感じるだけ。

最初に提示した条件が良いだけに、何か裏切られた気持ちになっていました。


そして、昨日の執行です。

残置物が無価値物と執行官が判断すれば、1回の執行で終わります。

それが狙いです。

そうしましたら、執行費用は数万円です。

開錠技術者に数万円払っても、トータル5〜6万円で済みます。

しかし、開錠してみなければわかりません。

なにか搬入されているかも知れません。

現況調査報告書添付の写真ではそれほどでもないのに、実際は天井まで物が積み重なっていたこともあります。

中に入るまでは不安がありました。




室内は、ホコリのかぶったソフア、事務机、壊れた照明器具の一部でした。

執行官は、無価値物、と判断しました。

その場で引渡を受けました。

代金納付手続きからは3週間ほど経過していました。