落札した物件で、所有者が自殺しているのが、判明しました。

現況調査報告書には、全く記載がありません。


これ、代金納付手続き前でしたら、執行手続き内で、救済措置がとられるかも知れません。

分った時点で、即裁判所競売係で相談です。


代金納付手続きが終わり、所有権移転登記されたのち、自殺がわかったら、どうでしょう。

国に対して、損害賠償訴訟をおこして、認められるでしょうか。


これにつきまして、

今年発行の「新民事執行実務No.8」に関連記事が掲載されていました。


二つの裁判例が掲載されています。

ともに、長期間空家であり、相続財産管理人が選定されていました。


(ア)、≪さいたま地判平21・1・30≫(一戸建)

(イ)、≪福岡地判平17・9・13≫(マンション)



現況調査報告書を作成した執行官の注意義務と責任が問われる内容です。

買受人の請求は、共に棄却されました。


(ア)、は、執行官には、積極的な調査義務なし、

(イ)、は、自殺を疑わせる情報や風評がないのに、管理人等から事情聴取すべき義務なし。


転売を目論む業者にとっては、困った問題です。

自用でも、自殺した物件では、普通は、あまり気持ちの良いものではありません。


相続財産管理人は、物件情報を100%把握しているとは限りません。

空家の場合、事前の聞込みが大切なポイントです。


。。。。。。

◎「新民事執行実務」
編集:日本執行官連盟 発行:民事法研究会
発行は年1回、2000円(税別)
業者の方は、サラリとでも見ておくと面白いです。

私が今回の記事で驚いた事。

執行官の前職は書記官とばかり思っていました。
ところがびっくり。
座談会に出席した執行官の先生方の前職は、

銀行員、
不動産鑑定士、
県庁の職員、
法律事務所の事務員
不動産会社の社員
・・・などなど。

一般から採用されていました。
。。。。。。