エンドユーザーの方が、競売物件を心配する理由は、

「占有者に居座られたらどうしよう。」

この不安で、競売物件を敬遠される方が結構いらっしゃいます。


転売目的で参加している常連業者にその不安はありません。

話合いで決着が付かなければ、

強制執行で立退かせるからいいさ。

業者は、三点セットの内、物件明細書を見て、

強制執行ができるかどうかを確認。

それで安心しています。

幾らで落札できるのか、のほうが気懸りでしょう。


落札物件から占有者を退去させる強制執行を行うには、

確定した判決が必要です。

判決を貰う為には、裁判が必要です。


裁判・・・ウワァーお金と時間がかかる・・

・・いやいや、競売物件は近道が用意されています。

時間もお金も本訴ほどかからないケースが大半です。


裁判所の競売は、民事執行法、という法律で運用されています。

その法律のなかに、強制執行を行う為の判決が簡単に貰える規定の条文があります。

83条です。

専門書によれば、

買受人(落札者)に対するサービス、という側面があるそうです。

その判決は、「不動産引渡命令」といいます。


買受人は、

代金納付手続が終了してから、

「不動産引渡命令の申立」という簡単な書類を作成して、裁判所に申請すればよいのです。

強制執行をする為の判決である、不動産引渡命令が欲しいから作って!、とお願いする訳です。

書式のサンプルは、

弊社ホームページ にあります。

記入式の申立書類を用意しており、必要事項を書き込むようにしている裁判所もあります。

但し、引渡命令の申立の相手方とならない占有者もいますので、簡単な事前チェックは必要です。


強制執行は、される側にとって、、

一度体験しますと、二度とはしたくない苦〜〜〜い経験のようです。


Aは、欠陥不動産を販売して、集団訴訟で損害賠償を求められました。

新聞でも大きく扱われた事件です。

暫くしてAの所有する不動産が、数件競売になり、落札されました。

Aは、落札された最初の物件で、明渡を断固拒否。

「強制執行?、フン、やれるもんならやってみな。」

どうも、国家権力を甘くみていたようです。

結果、強制執行。

2件目の物件(確か7〜8階建のビルでした。)の時は、

「強制執行だけは避けたい。」

立退料を提示して話合いを提案してきました。


強制執行は、法治国家の威信をかけて、法秩序を守る為の行為です。

峻烈です。

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代金納付手続きが終わった時点で、

「不動産引渡命令の申立」は、しておくと良いでしょう。

私は、話合いでの約束ができていても、これだけはしておきます。

保険です。

こちらの決意を暗に知らせておきます。

約束を履行させる間接的な強制力ともなります。


実際に、引渡命令が相手方に送達されてから、

その時点で任意の明渡交渉が成立していなければ、

再度、交渉を試みるのも一法です。

但し、あくまで引渡命令に基づく手続きの流れに支障をきたさない範囲での話合いとします。


北海道のある小さな裁判所。

書記官曰く、「引渡命令の申立なんて私は(この部署に来てから)初めてだ。」

引渡命令を受け取った債務者兼所有者は、

それから3日も経たぬうち、立退き料も貰わず、老母とともに慌ただしく引越して行きました。

鍵は隣家に預けていました。

首都圏で、このような債務者は滅多に見かけませんが・・。


。。。。。。。。。。



※以下は、裁判所作成のホームページより抜粋しました。

参考にされて下さい。


引渡命令の申立から強制執行の申立までの流れ(執行センター)

「不動産引渡命令の申立について」(執行センター)

不動産引渡命令の申立方法(大阪地裁)

「不動産引渡命令申立書の記載について」(名古屋地裁)

引渡命令についてのQ&A(旭川地裁)



競売の基本が学べるホームページ。

大きな損失を防ぐための小さな出費は必要経費!!