過日、私がコンサルタントをさせて頂いている業者のAさんから連絡。


落札した物件があまりに欠陥がひどいので、代金納付はしません。

保証金(約200万円)は没収されますが、仕方ない。

諦めます。

代金全額を納付して大損するよりも良いです、という内容。


物件は3階建てのマンションの1階部分で、空家です。

残置物はありません。

Aさん、売却許可決定が確定したので、所有者に接触。

鍵を借り、室内点検。

室内に入った瞬間、なんだこれは?

床がブヨブヨです。

根太と床が乖離している為のブヨブヨ感ではありません。

Aさん、長年建築に携わっていましたので、その感触の違いはすぐ分ります。

地下収納庫があったので、籠を取り外して地下内部を覗きました。

ビックリしました。

専門的な解説はひかえますが、

土台部分は、今まで見たこともないような、全くひどい欠陥、欠陥、欠陥の集合体。

よくテレビが呆れつつ写す欠陥住宅の土台部分をはるかにしのぎます。

ところが、評価書、現況調査報告書には、その欠陥についての記載が全くありません。

評価書で、壁、床の張替えが必要、という記載だけです。

業者の良心として、このまま、こんな欠陥住宅を販売はできません。

マンションの土台を全面修復する必要があります。

欠陥部分には共用部分が含まれています。

共用部分は単独で手を加えることはできません。

他の共有者の同意を要します。

そんな工事が簡単に可能かどうか。

技術的な面のほか、他の共有者の経済的状況もかかわってきます。

仮に、長い時間をかけて同意を得たとしても、費用は莫大です。

そういう面に詳しい工務店に見積をして貰って、その金額に兎に角ビックリ。

それで、代金不納付=保証金の放棄、という結論になったわけです。


私、

ダメ元で、「売却許可決定の取消の申立」をしてみたら、と提案しました。

物件に形容できない程の欠陥が見つかりましたので、

入札を白紙に戻して保証金を返還して欲しい、と訴えるのです。

但し、申立てても、認められる可能性は非常に低いので、

「ダメ元」位の気持ちでやらないと、あとでガックリですよ。

競売物件は、瑕疵は買受人負担、というのが原則ですから。


まず、地下部分の写真をもって、裁判所で相談したら如何。

そうして、書記官の反応を見、意見を聞きながら、

必要な資料など揃えて、正式に取消の申立をしませんか。


結果、Aさんの懸命の努力で、この申立は、裁判所が認めてくれました。

保証金は返還されました。

「売却許可決定の取消の申立」を提案した私が驚きました。

非常に珍しい事例ですが、それだけ欠陥が例を見ないひどい状況だったとも言えます。


この事例に接して、つくづく感じたことがあります。

次回、お話させて頂きます。



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