今日は、専門的な内容となってしまいました。

一般の方は、あまり触らないほうがよい物件のお話です。

ご容赦下さい。




「最先の賃借権」につきましては、このブログで3度ほどお話させていただきました。


(「最先の賃借権」の意味)
http://www.e224.com/archives/50965411.html

(「期限後の更新は買受人に対抗できる」の意味)
http://www.e224.com/archives/2007-02-03.html

(「最先の賃借権」についてのご質問)
http://www.e224.com/archives/2012-02-16.html

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「最先の賃借権」とは、

競売で落札されましても、買受人(=落札者)に対して従来の賃貸借契約の継続を主張できます。

賃料の不払いが無い限り、基本的に立退かなくても良い強い権利です。

ただ、滅多にないのですが、そういう賃借権でも、立退きをしなければいけない賃借権があります。

立退きしなければ、引渡命令で強制執行されてしまいます。

どんな場合かといいますと、

まず、その賃借人が債務者であり、

その債務者に融資して担保権を設定している金融機関等が競売の申立をしている場合です。

この場合の債務者は、引渡命令の相手方となります。

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◎最先順位の抵当権者に対することができる賃借権により競売不動産を占有する者に対する引渡命令については、この占有者が当該不動産に自己の債務を担保する為に他の抵当権の設定を受け、その抵当権の実行として競売開始決定がされていた場合を除いて、これを発することができない。
(最決平13.1,25)


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この事例を三点セットと謄本でみてみます。

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三点セットでは、最先の賃借人Bが物件を占有しています。

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謄本は以下です。


甲区は、

所有者はA、差押登記があります。

乙区は、

一番抵当権について、

債務者A、抵当権者はX銀行。

2番抵当権について、

債務者B、抵当権者はY銀行

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この場合、X銀行が競売申立をした(X銀行の差押登記)場合、

占有者のBは最先の賃借人として、その賃借権は法的に守られ、

強制執行の対象にはならない可能性が高いです。


Y銀行が競売の申立をした(Y銀行の差押登記)場合、

債務者のBの占有権原は、買受人に対抗出来ず、

Bは、引渡命令の対象となってしまう可能性が高いです。

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まあ、三点セット記載事項で、

ちょっと疑問をもちましたら、裁判所にきくのが一番です。

私はいつもそうしています。

神奈川県内の裁判所は、結構丁寧に教えてくれます。

滅多にない事例ですが、覚えておくといいかも・・・・です。



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