過日、↓↓こんな相談がありました。


落札物件の所有者が、なかなか退去しません。

立退き料を提示しても、額に不満そうな表情をして、

グズグズしています。

どうも、誰か入知恵する人間がいる模様。

次のようなことを囁かれているのかも・・・・。



―――

強制執行をするぞ、と言って来ても、

費用が結構かかるから、落札者の本心は強制執行での明渡は嫌がるんだよ。

立退き料を吹っかけても、そこそこ出してくれる筈だよ。

――――



強制執行した場合の費用を念頭において、

(強制執行を)やれるものならやってみなよ。

という態度です。

こういう場合、どうしたらいいのですか、という質問です。


下心見え見えの所有者、私も何人か会っています。

どうしたかっていいますと、

最初にあった時、こちらの方針を説明します。

その時の反応で、所有者の性格や考え方がある程度分ります。

1、その場で結論(退去日を明示)をだす人。

2、結論を先延ばしする人は、

 (1)、具体的理由が明確、

 (2)、単に時間とお金を稼ごうと意図する人。


(2)が問題だなあと、立退交渉に慣れない方は思うでしょう。

でもね、落札者は悩むことはないのです。

一次方程式です。

答えはひとつ。

占有者は、落札者が負担する(?)執行費用を盾にしているようです。

占有者は、強制執行の実態がピンと来ていません。


他人には見られても触られても嫌な肌着や貴重品などを含めて、

小物は、第三者の手でダンボールに詰め込まれ、搬出、保管されます。

もちろん、家具、家電なども搬出、保管されます。

建物内部も庭もきれいさっぱり、

動産類は全て撤去され、未入居新築物件のようになり、

人の生活の匂いは、あらかた消えてしまいます。

これが強制執行の「断行」です。

もちろん、旧所有者は敷地内部、建物内部に勝手に立ち入る事はできません。

「俺が住んでいたのだ」などと吠えてもダメです。


保管場所は、色々ですが、落札者が選択します。

大抵は、執行補助業者(※)が用意しています。


≪執行補助業者(※)=実際の強制執行において、

家財等の梱包、搬出、保管などの作業を行う業者≫



約1ケ月保管されます。

その間に、所有者は、必要があれば、保管物を取りにいきます。

結構面倒な対応を強いられます。

取りにいかなければ、落札者に二束三文で買取られ、

そのあとの処分方法は落札者の意向です。

大抵は棄てられてしまうでしょう。



本来、自ら転居しなければいけない所有者なのに、

落札者が費用を立て替えて、家財等を搬出・保管したのです。

こちらの足元をみている所有者とは、

一度面談して話し合ったら、以後は相手次第。

こちらからは、わざわざ機会を持ちません。


強制執行着手の第一段階「催告」が済みますと、

それから約1ケ月後の、

最終の強制執行である「断行」をする間には大抵はケリがつきます。

実際に執行官が臨場したあとでは、債務者も観念するケースがおおいです。


ここまできたら立退き料は払わない、という選択もできます。

そうしている業者さんも結構います。

気持ちはよっく判ります。


私は支払ってやるほうを選択しています。

但し、初めに提示した金額からそれまでに支出した費用はきっちり控除した額です。

これ、債務者には損です。

変な入れ知恵を選択しなければもらえた金額が減ってしまいました。

「ごね得」は絶対に排除します。


催告でケリがつかない場合、サッサッと強制執行の断行でケリをつけます。

気持ちをそう持っていきます。

迷いません。

この雰囲気、相手は敏感に感じ取るようです。


これから競売物件を扱っていきたい、という業者さんは、

強制執行の経験はしておいたほうが絶対に良いと思います。

その経験は、明渡交渉の際、強烈な迫力となって、相手方に伝わるでしょう。

(但し、以上は普通のマイホームを前提としてのお話ですので、念の為)




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