3ケ月前、一般の方からのメールがありました。

落札した物件の明渡交渉は自分でやるつもりですが、

そのコンサルを依頼したい、という内容です。


依頼者は、都下在住。


物件は、私の居住する神奈川からは相当に遠方です。

なんとかギリギリ日帰りできる距離ですが・・・。


まず、三点セットを見たいとお返しメール。

状況によっては、コンサルをお断りする場合もあります。

私の交渉アドバイスによる実践が、慣れない方には、難しい場合があるからです。

即日、メールで、三点セットが添付されてきました。


物件は、居宅兼店舗事務所です。

現況「空家」。

今から1年前くらい早々と転居、差押えされる前です。

ただ、現況調査報告書に添付された写真では、残置物の量が相当あります。

不動産を落札しても、建物内の動産まで落札したわけではありません。

残置物は、その所有者のものです。

勝手に処分できません。

任意の話合か、強制執行での処理となります。


実際、空家の残置物を勝手に処分して、損害賠償を請求された業者さんがいました。

残置物の中に、容易に金銭に換算できない「思い出の品」があり、

第三者にはガラクタと映っても、これが債務者には貴重品!

判決文記載の賠償額に、驚いたことがあります。


強制執行となりますと、費用が心配です。

執行費用は、地域によって相当に差があるようです。

任意の話合での処理ができれば、総体的に安くあがります。


話合の結果、残置物の所有権が買受人に移転すれば、

或いは、所有権を放棄してもらえば、

あとは買受人のペースで、手持ち現金、暇な時間と相談しながら、

のんびり片付ければよいのです。


差押え前に転居を選択した債務者です、話のわかる人物でしょう。

さらに、三点セットのうちの「現況調査報告書」を入念にチェック、

競売初心者でも大丈夫、

交渉できる債務者兼所有者の物件と判断しました。

依頼者は、落札後「事件記録」を閲覧、

綴じ込まれた債務者の住民票から転居先を把握していました。

えらい、お見事!!!

コンサルを引き受けることにしました。


まず、代金納付期限通知書が届いていることを確認。

債務者とコンタクトをとらなければいけません。

債務者あて「案内状」を簡易書留で送ってもらいました。

届いてから10日位経過。

返事がありませんので、再度手紙をだしました。

手紙の内容は、当然違います。

2回目は一見やわらかい雰囲気です。


債務者が落札者に連絡し、手紙の内容を実践すれば、

債務者が金銭的に得となる内容です。

それでも、やはり連絡がありません。


こういう場合の債務者は、

相当頑固か、

プライドが高いか

投げやりな人間か、

びびっているか、

誰かの入れ知恵で、無視を決め込み、駆引きをしているか、

あるいは病気か、です。


差押え前に転居し、住民票もキチンとしています。

頑固か、プライドが高いか、病気か、と判断しました。

今回の依頼者、電話で数回話ましたが、とても人柄の良い方です。

3度目は、債務者宅を訪問してほしい、というコンサルをしました。

訪問時のちょっとした心構えなども伝えました。

面談すれば、債務者は、落札者の人柄に安心し、

快く話合に応じるだろうと判断しました。


1週間くらい経過して、メールがきていました。

放棄書兼廃棄依頼書と鍵を貰うことができた、という内容です。

行間が嬉しさで溢れていました。

メデタシ、メデタシ!






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