三点セットの最初に、物件明細書があります。

ほとんどのマンションでは、物件明細書の下段

「5 その他買受けの参考となる事項」欄にて、

「管理費(等)の滞納あり」と記載されています。

そうして、評価書では、売却基準価額算出過程で、

滞納管理費等が一定割合で控除されています。

その分、売却基準価額は安くなっています。

滞納分は、買受人負担です。

買受人が、前所有者の滞納分を管理組合に支払います。

買受人が払った滞納管理費は、前の所有者に請求できるのでしょうか?


これについては、ひとつの裁判例があります。


滞納管理費の額(¥200万以上)が凄かったので、

買受人Aは、所有者Yに対して、

「滞納管理費等は、立替えたのだから、返してよ!」

と、裁判を起こしました。


所有者Yは、

「冗談じゃあない!物件明細書に滞納あり、とかかれているでしょう。

アンタ、それを承知で買ったんでしょ。

しかも、評価書では、

売却基準価額算出の時は、控除措置がされているんだから、

その分、売却基準価額は低かったじゃあないか、

冗談じゃあない、

俺に返還義務はないよ」



でも、結果、東京地裁でYさんの負け。



「おかしいよ、こんな判決」

Aに滞納管理費の求償権なんかあるものか!

Yさん、控訴しました。

あれえ、Yさん、訴訟資金を持っていたんだ!

結果は、



やっぱりYさんの負け(東京高判平17年3,30)。



現実面では、Aさんのように、滞納分を請求する買受人は少ないです。

私の周辺では、聞いたことがありません。

請求しても、元債務者兼所有者は、無一文の状態が多いです。

請求する時間と費用が無駄になる可能性大。


すると、あれかッ、

Aさん、実はYさんは現金を持っている、という情報でも掴んだのかな。

それとも、額が大きかったので、判決をとっておき、

じっくりチクチク返済をもとめるつもり?、

あるいは、裁判前のYさんとの話合いで、感情的になったのな!

どっちにしろ、Yさん、食っていくためにはどっかに勤めるのだろうから、

勤めたら給料をおさえて、回収作業でもするつもりかな。

でもね、小さな会社だったら、

そんな社員はいませんが・・・。

なんてとぼけられることもあるかも、です。


※上記、東京高判平成17・3・30におきましては、
「最低売却価格」の文言が用いられていますが、
ここでは、それを「売却基準価額」と読み換えました。



競売の基本が学べるホームページ。

大きな損失を防ぐための小さな出費は必要経費!!